前日にぐったりした状態でホテルに辿り着いたこともあって爆睡していたので、この日は相変わらずの朝食ガッツリコースにした。
このホテルはヘルシンキ駅の近くのやつで朝食付き、というとても雑なフィルターで選んだのだけど、朝食がかなり気合入っていてよかった。むしろ、これだけ種類があると食べきれない...というくらいだったので丁度いい。
ホテル、前日はとにかく部屋へ行くんだ、と必死だったけど、改めて思い出すと庭が石畳でトランクを運ぶのがめちゃくちゃ大変だった。この日は長袖のパーカーを切るとちょうどいいかな、くらいの気温でリトアニアよりも結構寒い。
この日はひたすら美術館めぐりをする予定だったので、軽装でぐんぐん歩いて最初の目的地へ。
日本でもよく見かけるマリメッコ、ディスプレイに展示している服がとてもおしゃれ。ただし、妻に聞いてみたらいずれの服も日本の通販で買えるらしい。
路上に無惨に置かれているキックボードたち。ヴィリニュスでもキックボードは自転車と同じくらいのメインの移動手段になっていて、そこでは Bolt が運営しているキックボードのみだったけど、ヘルシンキでは Bolt だけではなく複数の事業者が運営しているぽく雑にキックボードが置かれている。ここはとりあえず置き場の中に配置されていたけど、ぶらぶら歩いていると突然道端に乗り捨てられていたりとなかなか治安がない厳しいところもあった。大変そう。
ヘルシンキの駅周辺から北にかけてのエリアから離れている位置に唯一位置するシネブリュコフ美術館から見始めることにした。まずはチケットを〜とチケット売り場に行ったら18ユーロで、「た、高い...」となってしまったけどしょうがない。
ここではレンブラントの絵があったりと、小さいながらも「お、この絵は」というものがあってよかった。とはいえ、30分くらいで見終えてしまったので、ミュージアムショップで本を買ってから次の美術館へ。
再び駅付近のショッピングエリアに移動して、次に見る予定のアモスレックスという私設美術館へ...行く予定がちょうどこの日は展示替えの期間で閉館中だった。しょうがないので裏庭にあるというおもしろエリアへ。
コンクリートのタイルで波をうつようなオブジェがあり、それぞれは足で登る事ができるというもので、調子に乗って上に登ってみたら意外と降りる方が大変で足が疲れてしまった。
アモスレックスはしょうがなく諦めたので、向かいにある現代美術館のキアズマに行った。
ここもチケットは20ユーロで、「お、おう...」となってしまったけどしょうがない。この先いくつも美術館に行くのでずっと20ユーロだととても辛い。ここで面白かったのはチケットというものはなくて、レシートを見せて入場する、という形式だった。シネブリュコフ美術館もシールを貼るだけだったので、チケットを印刷または配るということ自体が行われていないぽい。
キアズマ、ガチの大人向け、というかストレートなゲイやポルノアートの表現などがあったので、現代アート最前線がこういうノリなんだなーということがわかったのは収穫だった。
キアズマの後ろには図書館のオーディがあるので、そのまま歩いて移動。
写真だといまいちわからないけど、オーディは曲線を中心とした設計になっていて、近くに行くとぐにゃぐにゃしているのがより一層際立つ。曲線の建物というと台湾にある台中国家歌劇院などを思い浮かべるけど、外壁自体が曲線なのはとても印象的だった。
中には誰でも入れるので、ぶらぶらと歩いてみると電源片手にパソコンで勉強する人から読書をする人などが多数だった。図書館と同時にカフェも併設されていて、自分が母国語で読める図書館がこんな感じなら一日でも入り浸るだろうなあと感心した。
オーディのあとに北上して国立博物館へ。道路を挟んで向かいから渡ればいいだろ、とおもったらとても手を上げて渡るような道路ではなく、しかも北に行くにも南に行くにも工事中で進入禁止、とかなり厳しい立地だった...。
しょうがないので、オーディー方面に戻りまくってから道路の向かいに渡れる最短の場所で渡ってから再び北上して博物館へ。ここでも18ユーロ...とチケットを買ったあとで、後ろにいたシニアの団体が QR コードを見せてチケットを貰っているのを見て「あ、そういえば美術館入り放題のヘルシンキカードってやつがあったじゃん...」と思い出して脱力してしまった。
ヘルシンキカードは50ユーロ前後で、この日に行く予定の美術館にはほぼ全て入れるというやつで博物館の中で休憩しているときに買ったものの、すでに3つ行ったあとでめちゃくちゃ損した気分になってしまった。もうだめだ。
そんな損したオーラ満載の中で博物館を歩いていて見つけたムーミンの古い人形。他にもサウナの歴史であるとか、フィンランド、ヘルシンキの生い立ちなど色々あった気がするけどあまり覚えていない...。
落ち込んでいてもしょうがないので気を取り直して、こうなったら行く予定になかったところも全部行くぞと更に予定を追加することにして、ヘルシンキアートミュージアム、略称HAMへ。
フィンランド語で書かれているので全く解説が分からなかったが、おそらく海洋プラスチックごみと何かを表したアートだと思う。現代アートは何かしら社会に影響を与えるテーマが選ばれるものなのだが、最近はプラスチックごみのなにか、が飽きるくらいには選ばれるのでちょっとワンパターンだな、って感じる。
ここではもう終了したヘルシンキビエンナーレ 2023 の作品や収蔵品を展示していた。もともとはオリンピックのために用意した建造物らしく、いわゆるコンクリートモダンな作りで面白かった。
ヘルシンキ、というかフィンランドはフィンランド語、スウェーデン語が公用語であり、英語は3つ目の選択肢なので、本を買うときによくよく中を見ないとフィンランド語の本を買うことになってしまいそうになり危なかった。HAMのショップでも店員の人が気を利かせて「英語じゃないけどいいの?」と聞いてくれたりして交換したりしていた。
HAM のあとは再び駅前まで戻ってきて、フィンランドの中世・近代絵画の美術館であるアテネウム美術館へ。
中世・近代と言っても割りと近代よりの展示をしていたのが特徴的だった。たまたまこの時期の企画展がそういう選択だったのだろう。
ルートがいまいち分からず、何度も同じ場所をぐるぐる歩いていたけど、最上階のホールの展示はとても良かった。アテネウム美術館の展示、他の美術館と異なって、印象派、現代アート、などで集めて分類するのではなくて、動物を表現したもの、〜を表現したもの、というカテゴリごとに年代をごちゃまぜにしていたのが印象的で面白いなと思った。
禅寺の枯山水っぽい何かを描き続ける機械。こういう砂の配置を見て枯山水っぽいもの、と感じるのは日本人的なんだろうなあ。
最後にショップに寄って本を買ったけど、アテネウムにかぎらずどこも書籍は30-45ユーロ、って感じで日本円で5000円超えてるな...となり本当に北欧は物価が高いなと実感していた。ほんと高い。
アテネウムまで見たところで色々買った本やら何やらが破滅したので一旦ホテルに戻って荷物をおいてから、ヘルシンキの隣街のタピオラにある現代美術館にいくことにした。ヘルシンキカードの元手を取らなくてはいけないというエネルギーだけで動いている。
ここでは最初にコレクターのアイテムを見てから常設展へという流れになっていて、日本のフィンランド展などでよく見かける陶器やガラス細工などがあったりして「見たことあるやつだ」となったのが良かった。ひたすら数をこなしていると見えるものもある。
とはいえ、フィンランド語の解説は相変わらず分からなかったりするので「これはこういうやつかな?」とイメージが中心になってしまうのはしょうがない。2Fはこの現代美術館ができてから毎年少しずつ買っているコレクションの展示になっていて、めちゃくちゃでかいホールをうまく活用していてよかった。
ミュージアムショップの書籍コーナーを眺めてみると、塩田千春もコレクションの一つに持っているらしく、展示されているときに来れると良かった...となった。書籍は相変わらず50ユーロなどだったのでスキップ。
エスポー現代美術館を見た時点で16:00とかになっていて、だいたいの美術館がしまる18:00まであとわずか、という状態。急いで来た道を戻ってヘルシンキ中央市街へ。
タピオラの駅は現代アートに満ちていてよかった。ヘルシンキの鉄道、誰も切符を買ってなくて、買っているのは旅行者だけ、みたいな感じだったのが気になった。現地の人は定期でも買ってるのかなあ。
ヘルシンキ中央駅に戻ってからは南下して、建築博物館へ。
建築は展示できない、という難しさがあり、建築の模型やコンセプトがフィンランド語、たまに英語で解説されているもののシュッと見ているだけの自分には「うむ、わからん」という状態だった。ササッと眺めても、意味がわからない単語が出てくるとすぐ止まってしまうのだよなあ。
続いて、この日最後の予定となる建築博物館の裏にあるデザインミュージアムへ。こっちはフィンランドデザインの歴史とその系譜を実際のものと一緒に展示されていたのでわかりやすかった。
2Fでは、フィンランドテキスタイル、地下では現代アーティストのデザインと視覚だけで理解できる物が多く良かった。
最後にミュージアムショップによって書籍をいくつか購入してから、ヘルシンキ中央駅に徒歩で戻ることにした。
ホテルに戻る前に、せっかくだから外で夕食でも食べるかな、と駅前のショッピングモールのレストランエリアに行くものの、メキシコ料理、ラーメン、スシバーという感じでうーんとなったので Google マップで雑にフィンランド料理と検索して上位に出てきた Zetor という店に行ってみた。
Zetor はフィンランドの田舎料理をウリにしている店ぽく、日曜で空いているからかすぐに入ることができた。いくつか Zetor オススメ!とメニューに書いてあるやつを頼んで食べて満足。合計で50ユーロ、とかだったけど、夕食ならまあこんなものだろう。
ここまで来て流石にヘロヘロになったので、帰りにスーパーに寄って飲み物などを買って、ホテルに戻って就寝。お疲れ様でした。
Euruko 2023 も三日目の最終日。Euruko はだいたい2日でシングルトラック、という構成なんだけど 2023 は 3 日で Unconference 多め、という内容で「へ〜」となった。
この日はキーノートのあとにパネルディスカッションがあって、モデレーターから登壇してくれないか、という打診があったのでステージに出てあれこれ喋っていた。最初、込み入った話は Matz に翻訳してもらおうと思ったけど、ネットワークの調子がかなり悪くてうまくいかんな、となったので、何を言ってるかよく理解できなかった時は okura さんにヘルプを出したりしていた。
英語で回答する、ということより日本語でもむずいよ!という「初学者が Ruby 勉強していくのに、やっていることや取り組んでいることはなにか」みたいな話題を振られてだいぶ大変だったが、こういう機会があったのは良かった。頑張ろう。
このあとに来年の Euruko 開催の都市の投票の時間があって、来年はボスニアのトゥズラになった。ボスニア、今も地雷が残っているエリアがあるぽく、こんな機会でも無いと行かないから〜の理由づけだけだとなかなか厳しいかもな...ってなった。その気になれば行くかもしれない。
最後にカンファレンス運営メンバーが集って終わり。お疲れ様でした。
カンファレンス終了後にホテルに送迎バスで移動しても良かったけど、この日のうちにヘルシンキに移動する旅程だったので、安全策としてカンファレンス会場から直接ヴィリニュス空港にタクシーで向かうことにした。Bolt 本当に便利。
空港には出発の3h前にはつくことができて、空港内をウロウロしたものの荷物の預けゲートが開くのは2h前から、という状態だったので椅子に座ってスターレイルをプレイしたりして待っていた。ゲートに行ってみると、Euruko 参加組っぽい人がチラホラと現れていて、それほど急がなくても良かったかもなーとなったけど、初めての空港は余裕を持つくらいでいいのでこれはこれで。
飛行機は来たときと同じようにプロペラ付きのやつ。この日は写真に写っているような人数しか乗っておらず、だいぶローカルな便だったみたい。飛行機の中ではひたすら Kindle の本を読んでいた。最初は Rakuten マガジンを読むつもりだったけど、最初のアクティベーションなのかネットワークを確保しようとしたままぐるぐるして、ダウンロード済みのものも読むことができなかったので諦めた。ほんとひどい。
そうこうしているちにヘルシンキに 21 時前に到着することができたので、表示を見ながら中央駅に向かう地下鉄・鉄道に乗った。エスカレータがめちゃくちゃ角度がすごくて、重い荷物を落としたり、バランス崩れて転倒したら死ぬなこれ、となった。事故起きてないのかなあ。
中央駅には20分くらいで到着して、この日の宿へ。駅の隣のホテルにしたので、割とすぐに付くことができた。あれこれ疲れまくったので、シャワーを浴びてすぐ寝てしまった。
Euruko 2023 の2日目が始まり。この日は Matz のキーノートから。まつもとさん、今年は長距離遠征は控えるらしく、録画の配信だった。
タイムテーブルには Ruby が 30 年で学んだこと、とあって、「また RubyKaigi やセミナーの使い回しだ...」となっていたけど、発表の内容は最近好きっぽい Python の PEP703 の話になっていてちょっと面白かった。
オーガナイザーの Sergey を捕まえて記念撮影。Sergey はあちこちの手配だけじゃなくて、ホールでずっと司会をしつつ、登壇者をかっこよく紹介するなどあちこち走り回っていた。おつかれ様です。
この日のお弁当は昨日に続いて炊き込みご飯っぽいやつ。昨日がフィッシュだったので、チキンにしてみたけどだいたい同じだった。一緒にご飯を食べた中に、ちょっとしたパートタイムや隙間時間のバイトを斡旋するサービスを開発しているという若者がいて、なるほどタイミーみたいなやつね、と世界のどこでもコンセプトが似ているものをやっているんだなあとちょっと面白かった。
お昼のあとは一緒に日本から行った okura さんの発表を聞いていた。rspec の DSL を順番に紐解いて行くという発表で describe
によって何が作られるのか?などは実際にコードまで読んで気にしたことはなかったので面白かった。ただ、時差ボケというかだいぶ疲れが溜まっていたからか、後半の記憶がない...。
Euruko 2023 では、メインステージの他に Expo ステージという自由に使っていい場所が開放されていて、ここで async gem 関連のプロジェクトが発表をしていた。レギュラーセッションが終わって、次の時間は Unconference が4つ、という状態になったので一旦ここで会場を離れてヴィリニュスで見てない大公の宮殿を見に行くことにした。
昨日、お土産を書いに旧市街に行ったときにリトアニア大公宮殿は Must Go である、というのを見て「oh... 見てない...」となったので2hほど時間を作って見ることにした。
大公宮殿、スタート地点は史跡に始まり、当時の人の暮らしの解説から宮殿や芸術品の展示へと繋がっていて確かにこれは見ごたえがあるボリュームだな、となってしまった。
引き続き見ていくと、武器など騎士の装備の展示から、企画展の協会史跡の写真展という流れで一通り歩くことができた。ここまでで 90min くらいかかっていて、これは思い出して行って見える量ではないな...となったので改めて時間を作ってよかった。
その後、大公宮殿の前にある国立博物館へ。ここでは企画展を中心に開催していた。解説が全てリトアニア語でまったくわからん、となったもののおそらくソ連時代の戦争と芸術、という感じの展示だったと思う。
リトアニア、というかヴィリニュスはウクライナの支援のムードがかなり強く、街のあちこちに画像のような国旗はもちろんのこと、店の装飾などをウクライナの国旗の色で表現というくらいには現在も継続しているというのが印象的だった。
大公宮殿を見たあとはカンファレンスパーティーに合流して、ヴィリニュスの繁華街へ移動。システムが全く分からなくて、色々聞いたところ決まった店でビールを飲む限りは無料で、それ以外は適当にやってくれ、というシステムだったので、一緒に移動していた3-4人で入れる店に流れ込んだ。適当に選んだ店にしては、食事もノンアルコールの飲み物も美味しくてよかった。