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HsbtDiary


2024/05/15 (水) [長年日記]

RubyKaigi 2024 Day 1

Day 0 にして、RubyKaigi は予定が詰まっていて大変だな...となっているところに Day 1 が開催。

2024 は会期が水曜-金曜なので Matz オープニングキーノートからクロージングに移動して、今年はぺんさんがキーノートだった。Quine など weired なコードの紹介をしながら Trick の披露に合わせて RubyKaigi の見どころを紹介するという内容で大変良かったと思う。

那覇の市場で昼食

キーノートのあとは昼食の時間。Day 1 は Launchable の onomax さんと何かを食べつつ、CI 実行時の失敗をどう見つけているのか、というユーザーインタビューを受けるために、ウミヘビを食べることができるという店へ。

mame, nobu と 4 人でめちゃくちゃ暑い那覇を歩いて市場にたどり着いたら、水曜定休日ということでがっくり。那覇は水曜休みの店が結構多いらしく、金と月は土日にくっつけて来る観光客が多いから水曜などにしているんだろうか。

この店は観光客向けでもある市場の2階にあって、他にも沖縄っぽいいい感じの店がいくつかあったので、山羊汁というヤギを食べることができる店に変更してからおしゃべり会。自分がRuby の開発を毎日するにあたって、どうやって CI の失敗と、失敗が flaky で最近よく見かけるというのをどう検知しているのか、というのを説明していた。この手のやつは実際に言葉にしてみるとなかなか難しい。

RubyKaigi 2024 で Ruby のライブラリの話を発表してきた

昼食の時間はギリギリまで話していて、普段なんとなくやっているエラーが起きたときにどこを見て、何を考えるかというのは意外とちゃんと考えたこと無かった、というおもしろネタだった。そんなこんなで、通訳との打ち合わせ時間を5-10分ほど遅刻してしまって、会場に戻ると同時に打ち合わせ部屋へ一直線。

打ち合わせのあとは、ホールBで待機しつつ、おおばさんの話を聞いていた。途中からしか聞くことが出来なかったけど、Ractor であるとかライブラリのメンテに付いてのトピックはいくつか共有できることがあったので、発表のあとに Ractor 対応しているかどうかは〜で、今後については〜ですね〜などを話しておいた。

発表の方はというと、ホールBが立ち見が出て入れなくなるくらいの盛況ぶりで「だから大ホールにした方が良かったでしょ〜」みたいな雑なコメントを発表後のフィードバックをもらった人達と話していた。まあこの辺は、大ホールは Ruby のインタプリタ本体の話にしたいというのと、日本語で聴けるものと通訳があるものは、こういう感じでという意向があるものなのでしょうがない。

割と何度も何度も話している default/bundled gems の話を前半におきつつ、後半にそれらを扱うために Ruby のリリースパッケージに入れてやっていることを紹介という内容にした。発表の途中で tmtms さんなど、普段からお世話になっている人をベンチマークにしつつ伝わっているような反応が得られたので良い発表だったとは思う。

この日は発表のあとはアンドパッドのブースで、道行く人に声かけたり、発表に対する反応を聞いたりして過ごしていた。たまに X などで行われていることについての話題が出てきて「X は使ってないのでわからないですね」と話して終わってしまうことが多い。仕事として X に流したほうが良いということのために、貸与マシンにブラウザセッションを残して使っている以上のことがないので、本当に見てないんですよね。

こういう何かについて「使ってない」というのをアピールするのは本当にダサいからやってないけど、アプリもインストールしてないし、使ってないというのをここで書いておきます。使わなくなってから思うこととしては、X で見ていて話題になってるし知ってるでしょ?みたいな前提の人がめっちゃ多くてびっくりする事が多い。何に時間を使うのかは人の自由なのでそれでいいが、自分の人生にとって大事にしたいと思うこととは真逆のことが X には特に顕著に存在するので自分は無視一択。そんなことより、みんなもっと目の前の人に「XXX をメンテしてくれてありがとう」と声をかけたほうがいいと思う。

Ruby 3.1 のメンテナンスをしていくことにした

事前にある程度、素案は固めつつ、Day 0 の開発者会議や懇親会で今後手を動かすことになるであろう人で、コンセンサスを作り、Day 1 で正式な案として bugs に乗っけて Matz から了承をもらうという手続きを経て、安定バージョンのブランチメンテナの体制をアップデートした。

https://bugs.ruby-lang.org/issues/20491

今までは nagachika さんが最新の安定バージョン、usa さんが1つ前の安定バージョンと2つ前の安定バージョンをセキュリティメンテナンス、という体制だったが、それらを

  • 安定バージョン: k0kubun
  • 1つ前の安定バージョン: nagachika
  • 2つ前の安定バージョン(セキュリティメンテナンス): hsbt

という体制にしてやっていくことにした。理由は https://bugs.ruby-lang.org/issues/20432 としてリクエストがあるように頻度を高めたリリースであるとか、それを実現するために現状からアップデートして行きたいことなどを勘案した上で「ではこうしよう」という結論となった。

こういうのをやるのは、naruse さんか mame さんか、僕って感じなので得意といえば得意なのだが、ステークホルダーであるとか、関係者からの「そういや〜の件は?」みたいのを解決する案を出して決断するというのは中々大変だった。RubyKaigi みたいな場所で、話しかけてシュシュっと決めるとかじゃないと進まない話なのでほんと Kaigi は話が早い。

RubyKaigi 2024 オフィシャルパーティーに参加した

ブランチメンテナの件をだいたいまとめ上げたら、Day 1 終わり、みたいなモードになってしまったのでしおいさんの話を聞きながら撮影をしたあとにホテルに戻って荷物を置いて、バスにのってパーティー会場に移動した。

最初到着したときに、「なんもない海じゃん」となって笑ってしまったが、ちゃんとしたバーベキュー会場が出てきたので安心した。ちょっと遅れて到着したのでどこのテーブルに混ざったものか悩ましくて「みんな社交性あるな〜」と感心していた。

ryopeko や emorima のテーブルでちょうど肉などが焼けていたので、混ざって食べつつその後は色々お世話になったり、助けてくれた人に「ありがとうまじでありがとう」という感謝参りをずっとしていた。帰路につこうと思ったタイミングでちょうど k0kubun くんも1人でぶらっと歩いてたので、一緒に歩きながら最近の出来事などについてひたすら話してこの日は終わり。お疲れ様でした。