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HsbtDiary


2023/08/15 (火) [長年日記]

ウアイヌコㇿ コタン アカㇻ ウポポイのことばと歴史 を読んだ

台風が接近していて、昨日のように通り雨があるかも、というような天候だったので大人しく家でゲームなり読書。ウポポイって公式のガイドはあるのかな、と Amazon を眺めたらウポポイが発行している公式ガイドという位置づけの本があったので買って読んだ。

ガイド、というかウポポイを開館するまでの経緯や開館後の現状について、職員や準備委員会のメンバーなどが寄稿した本で、アイヌ文化について学ぶための本だった。読み始めてみるとアイヌ文化と民族について、道民でも知らないということが多数あってめちゃくちゃ面白かった。

例えば、ウポポイでは第一言語をアイヌ語として表記したり、職員が話しているのだが、現在の日本語でいう「社会」や「科学」という概念に対応するアイヌ語は存在しておらず、館内で使わざるを得ないときに似たような概念を探してきて当ててはどうかという議論であったり、説明に主語として「私たち」という表現を使ったときにアイヌ民族、翻訳者、それ以外の人々とで分断が起きないか、などすべての表記について大量の検討を行っていて、文化を復興させて維持することの大変さを知ることができた気がする。

あと、印象に残ったのはウポポイに来るくらいにはアイヌ文化に興味がある人でも、館内の説明員や自身の子供などに「アイヌ民族って今もいるんですか?」とか「昔はアイヌ文化というものがあったんだねえ」みたいなことをピュアな気持ちで話してしまう人もいて、説明する側が対立を煽らないようにしつつ、正しい表現や現状を伝えることの難しさも試行錯誤しているというあたりは、色々と考えることがあったりした。

アイヌ語であるとか、アイヌ文化、ウポポイに興味がある人は行った後でも、行く前でも是非読んでもらいたい。


ウアイヌコㇿ コタン アカㇻ ウポポイのことばと歴史
国立アイヌ民族博物館
国書刊行会
¥3,080

自分が撮影した写真が findy で使われた

鳥井さんが登壇している写真をお持ちの方はいらっしゃいませんか、と呟いていたので、いくつかありますよーとお声がけした結果、2枚ほど採用された

https://findy-code.io/engineer-lab/yotii23-everyleaf

RubyKaigi などで、Ruby コミッタや同僚が登壇するときはできるだけ撮影して渡すようにしている。これはカンファレンスなどで登壇しているときに、他の人の写真はよく取るものの、自分が写ってる写真がないじゃん!という経験から始めたものなのだけど、今回のように Web の媒体で使われることになってやっててよかった。

撮影した写真を眺めてみると 2013 年と 10 年前か...となるものもあったりして、なかなか感慨深い。