民藝の人を中心に追いかけるシリーズの三冊目。器以外という雑な分類なのはともかく、器と違って織物や竹細工などは、いわゆる中興の祖にあたるような人物がいない、もしくは誰が始めたのかよくわからないというようなものが多い。そのため、ルーツを調べるために現地に行ってみたら、もう作れる人はいない、だとか見つけても数年たったら亡くなられたとかそういう話が多くて、民藝というか文化の保護と継承ってのは難しいものだなあというのをしみじみ読み取れてよかった。
本書のところどころで60歳と若いので~というくだりがたくさん出てきて、そういう認識でやってたらそりゃ後継者も出てこないし途絶えてしまうよね、という部分が多くて心配になるけど、民藝のうち器以外についてはそういう運命と割り切ってしまうしかないのかもしれない。