今日は新潟県内で醤油を作っている新潟醤油協業組合の一つであるホクショウの工場で醤油の製造工程を勉強。醤油ってのは微生物を利用して作るので、やっぱり半導体や電子機械とは製造に関する考え方が違うな。
醤油というのは加工前の生醤油と加工して実際にスーパーや飲食店に運ばれるような製品と行程が別になる。この加工前醤油の製造工程の衛生管理は結構適当で素手でつかんで大豆の状態を調査したりするような状態。この加工前醤油は写真にあるような絞り出し作業前に3-6ヶ月単位で寝かせて菌の繁殖を広げる必要があるので、素手でつかんだ程度はたいして問題では無いようだ。
逆に加工後の醤油製品(焼き肉のタレやスーパーの醤油)の製造はそれなりに衛生には気をつかってクリーンルームを通過する必要がある。
醤油や味噌は江戸時代から加工前の生の段階を作る製法は続いており、基本的な作業自体は変化していないので不良品はほとんど発生しないと今日説明してくれた品質管理部門の方が言っていた。
ちなみに醤油協業組合となっているのは、加工後の行程を担当する業者が集まって作った工場というのが理由のようだ。この工場では県内で流通している醤油(加工前醤油)の80%を製造しており、それらを県内の業者に卸して消費者の手に渡るという構図。醤油と味噌は一部の全国区の企業は別としてほとんどがこのように都道府県単位で寡占状態のようだ。
製造工程とかラインの改善についてはさっぱりわからなかったけど、自分の知らない業界のことをしれたので収穫はそれなりにあってよかった。
身近な商品について補足。某メーカーの丸大豆醤油というのは丸いままの大豆を利用して作った醤油。大豆油成分が残っているので、塩分の角を削ってまろやかな味になる(らしい)。一方でその他の醤油は大豆油を絞ったあとの大豆を使用して作っている。油を絞った後だと窒素成分が高くなりうま味成分が高くなる(らしい)
とは言いつつも、前項で書いたように醤油や味噌や塩ってのは地域で古くから食べられているものなので、味に違いを付けて新製品による市場開拓等はほとんど効果が無い(らしい)