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HsbtDiary


2018/03/28 (水) [長年日記]

エンジニアリング組織論への招待を読んだ

最近話題になっているので二日くらいでシュシュっと読んだ。

エンジニアリングの本質を「不確実性の削減」と位置付けて、それをテーマにエンジニアが常々大事だと感じているプロダクト開発やコミュニケーションの中の様々なプラクティスや考え方について、何故これらのエンジニアリングが重要なのか、ということを幅広く取り扱っている大変良い本だった。

不確実性コーンであるとか、経験主義やスクラムであるとか、技術的負債などプロダクト開発が特に難しいとされている昨今だと前提知識となっているようなトピックをよくこれだけ全部詰め込むことができたなあと感心するくらいちゃんとストーリー立てているのがすごかった。

個人的に良かったトピックは

  • 認知フレームとリフレーミング
  • 内心は見ることができないが、行動は見ることができる
  • OKR による目標の透明化

というあたりかなあ。最近の仕事のメイントピックがこの辺なのでしょうがない。

ただ、この本でも、気になった部分もあって、インセプションデッキの紹介で出典がなかったり、この本以外で提唱されている概念への参照がだいぶ抜けているのが惜しいなあと感じた。

この本、タイトルからエンジニアが読むものという印象があるかもしれないけど、組織とプロダクト開発をエンジニアリング(不確実性の削減)によってマネジメントするという本なので、マネージャまたはリーダーと名のつく役職の人はもれなく読んだ方が良いと思います。今後はこの本を読んでいることを前提にマネジメントを議論したい。

オススメです。


エンジニアリング組織論への招待 ~不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
広木 大地
技術評論社
¥2,487