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HsbtDiary


2015/03/18 (水) [長年日記]

スクラム実践入門の紹介

2013年末から1年くらい執筆やら編集やら取りまとめやら続けていたスクラム実践入門が本日発売開始しました。

この本は 2013年末くらいに同僚のあんちぽくんと一緒に自分たちがソフトウェア開発をする時に役に立つ本を書こうと @inao さんに提案したのがきっかけです。git log -p --reverse の1コミット目はこれ

commit 710fc0c8cd065ceb24904a6f26bf21ac22d9ddf2
Author: SHIBATA Hiroshi <shibata.hiroshi@gmail.com>
Date:   Sun Dec 15 02:26:33 2013 -0800

    Initial commit

diff --git README.md README.md
new file mode 100644
index 0000000..5ad2d55
--- /dev/null
+++ README.md
@@ -0,0 +1,4 @@
+scrumbook
+=========
+
+2014夏に出版予定のスクラム本(仮名)の作業リポジトリ

2014年夏...の RubyKaigi には間に合わせたかったのですが鋭意遅延していまいました。本を書くのって難しいですね。

この本は巷にあふれているスクラム本が主に受託開発を対象としているものが多く、同じ部署の中でスクラムチームが完結している場合、つまりおおよその Web サービスを開発している企業で実践できることを目的として書きました。それでも、幅広く使えるように対象読者は以下まで拡大しています。

  • 組織にスクラムを導入しようとしているマネージャー
  • すでにスクラムを推進しているスクラムマスター
  • チームで働くすべての方、ソフトウェアをチームで開発している方

受託開発を生業としている人でも役に立つ本だと思いますが、特に"自社サービス開発"と呼ばれる分野の人には特に役に立つ本だと思います。

この本は1章であんちぽくんによる、ソフトウェアの特性を紐解き、ソフトウェア開発の困難性について正しい知識を元に解説しています。ソフトウェアとは何かということについて考えたことがない、想像がつかないという人は必読の章となっています。

読者の声: https://twitter.com/kdmsnr/status/575854778665717760

2-4章は僕といえぴょんでスクラムの理論を最新バージョンのスクラムガイドに合わせて解説しています。artifact を作成物と訳したり、訳語についても議論を重ねて選びました。ただ、すでに1件誤植が見つかっているのが辛い...

読者の声: https://twitter.com/kdmsnr/status/575863565560623104

5 章はスクラムというか、ソフトウェア開発で用いられるプラクティスをパターンランゲージのフォーマットで書いています。例えば、継続的インテグレーション(CI)って便利って聞くけどどゆこと?という内容を、例えばこういう状況があって、こんな空気があるじゃん、うまくいかない気がするじゃん、そういう時にこのプラクティスですよ。という文章で解説しています。

読者の声: https://twitter.com/kdmsnr/status/575864127219879936

6-8 章は帯にもあるように、DeNA, mixi, GMOペパボのスクラム導入の物語を紹介しています。この6-8章がこの本のハイライトです。どの企業も銀の弾丸はなくて、試行錯誤を繰り返しながら現状を打破しようとしているストーリーを知ることができます。この辺の話が読めるのは本当にこの本だけ!

9-12 章は3社のスクラムマスター(この3人は本当にすごいスクラムマスター)が、自身の経験から得られたパターンをまとめる章となっています。スクラム導入してソフトウェア開発をしているけど、何かうまくいってない、朝会しているのに問題がトラッキングできない、期日までに動くものができない、POが忙しすぎる...というようなスクラムあるあるについて、3人が経験的にどう立ち向かってきたかということが解説されています。

読者の声: https://twitter.com/kdmsnr/status/575885983398260738

というわけで、面白そうだなと思った人は是非お買い求めください。電子書籍も同時発売しています。


スクラム実践入門 ── 成果を生み出すアジャイルな開発プロセス (WEB+DB PRESS plus)
貝瀬 岳志
技術評論社
¥2,838